ポイント2:契約期間の更新と終了
普通借家契約のオフィスでは2年、定期借家契約では2〜5年といった期間が設定されるケースが増えています。契約の更新(再契約)や終了に関して、法律上どのような取り決めがあるのか整理しておきましょう。
1. 普通借家契約について
1)契約期間
民法第604条は賃貸借の存続期間を最長20年と定めていますが、借地借家法第29条により建物賃貸借には適用されません。したがって普通借家契約の期間は当事者間で自由に設定できます。ただし1年未満の期間を定めた場合、法律上は「期間の定めのない借家」とみなされます。
2)契約の満了と終了
賃貸人が期間満了で契約を終了させるには、更新拒絶の通知に加え「正当事由」が必要です。通知は満了の1年前から6ヶ月前までに行う義務があります。一方、賃借人の解約予告は契約書の取り決めによりますが、規定がない場合は民法617条により申し入れから3ヶ月後に解約の効力が生じます。賃借人にとっては解約予告期間を短く設定するほど柔軟性が高まります。
3)契約の更新
普通借家契約には「法定更新」「合意更新」「自動更新」の3つの形があります。賃貸人に正当事由がない限り、契約は法定更新され継続します。条件変更に合意して更新する場合は合意更新、双方が意思表示を行わず継続した場合は慣習的に自動更新と呼ばれます(法的には法定更新)。更新条件の調整は賃貸人・賃借人双方の合意が必要なため、交渉は専門家に相談するのがおすすめです。
2. 定期借家契約について
1)契約の締結
定期借家契約は書面での契約が必須で、更新がなく期間満了により、契約が終了することを事前に書面で説明し交付しなければなりません。
2)契約期間と終了
契約期間は当事者で自由に定められ、満了と同時に契約は終了します。賃貸人は満了日の6ヶ月〜1年前までに終了通知を行う必要があります。継続を希望する場合は双方合意のうえで再契約を締結します。
3)中途解約
原則として契約期間中の中途解約はできません。解約を想定する場合は、事前に中途解約に関する特約を設けるか、再契約・期間調整などの条件を交渉しておきましょう。
定期借家契約と普通借家契約の比較
| 項目 |
定期借家契約 |
普通借家契約 |
| 用 途 |
居住用・事業用いずれも可能 |
居住用・事業用いずれも可能 |
| 成立要件 |
更新がない旨を事前説明し、書面契約が必須 |
書面でも口頭でも締結可能 |
| 更 新 |
期間満了で終了(再契約は合意が必要) |
正当事由がない限り更新される |
| 中途解約 |
特約があれば可能 |
特約があれば可能 |
| 契約期間 |
制限なし |
1年以上(1年未満は期間の定めのない契約とみなされる) |